耐震等級は高い方がいい?地震に強い家を建てるための知識を解説

公開日:2021/03/01  最終更新日:2021/03/02


日本で家を建てる時は、「地震に強い家を建てたい」「大地震で倒壊しないためにはどの程度強度が必要なのか」といったことが気になる人も多いのではないでしょうか。地震に強い家と判断するにはどのような指標があるのか、指標の区分やそれぞれの特徴など、知っておくべき知識を解説しています。住宅建築を検討している人は、参考にしてください。

そもそも『耐震等級』ってどういうもの?

耐震性を強みにしている住宅を近年ではよく見かけますが、耐震性を測るのにはどのような指標があるのでしょうか。覚えておきたい指標の1つに『耐震等級』があります。

耐震等級とは、地震に対する建物の強度を示す指標の1つで、住宅の性能表示制度を定める『品確法』に則って制定されたものです。建物の耐震性能によって3段階のランクがあり、数字が大きいほど建物の耐震性能が高くなるといわれています。

耐震等級は地震で建物が崩壊しないよう、地震に対する建物の倒壊・崩壊のしにくさをあらわしているのです。建物の耐震等級は、建物の重さや風など横からの力への耐久性、耐震金物の設置場所、床の耐震性能で決まります。

耐震金物とは、住宅の木造同士のつなぎ目を補強する金属のことです。建物は重い方が地震に強いのではないかと思われがちですが、軽い方が耐震性は高くなります。また、鉄筋コンクリートの方が重く丈夫なイメージがある人もいるでしょう。

しかし、近年では木造の耐震性が鉄筋の耐震性と同等になっており、軽量な木はしっかりとした構造で建てることで、耐震性能を強化できます。耐震等級は、施主がわかりやすいようにという趣旨で定められたものであり、絶対というわけではありません。耐震等級は、地震に対する強さを知るうえで重要な指標ですが、「耐震等級がついているから、地震が起きても大丈夫」と過信しすぎないようにしましょう。

耐震等級の3つの区分

耐震等級は3段階のランクがありますが、耐震等級の3つの区分の違いを紹介します。耐震等級1が建築基準法で定められている最低限の耐震性能レベルです。耐震等級2が1の1.25倍、耐震等級3が1の1.5倍の耐震性能です。耐震性能1は大まかにいうと、法律で定められている最低限のレベルで、1以下は危険ということになります。

耐震等級1は、震度6強~7レベルの地震(阪神・淡路大震災や熊本地震クラスの揺れ)でも即倒壊はしないレベルです。しかし、地震後ダメージを受け、大規模修繕や建て替えが必要になる可能性があるでしょう。

耐震性能2は震度6強~7の地震でも、一定の補修程度で住み続けられるレベルです。学校や避難所など公共の建物には、耐震等級2が多いといわれています。

耐震等級3は、震度6強~7の地震でも軽い補修程度で住み続けられるレベルです。大きな地震が発生してもダメージが少ないため、地震後も住み続けられ、大きな余震が発生しても倒壊のリスクは少ないレベルでしょう。このため消防署や警察署など、災害復興の拠点となる防災施設に耐震等級3が多いようです。

熊本地震では、1度目の揺れには耐えたが、続けて起こった2回目の揺れで倒壊した建物があった中、耐震等級3の住宅は倒壊しなかったという調査結果を出した専門家もいるようです。

耐震等級1は建築基準法で定められた最低基準なので認定の必要はありませんが、耐震等級2と3は、住宅性能評価機関が行う審査に合格しなければなりません。合格後の認定には10~15万円ほどかかります。

耐震等級は施工主が選べる

建築基準法では耐震等級1を守ればよく、等級2以上の建物にするかは任意で施工主が選びます。マンションなどはハウスメーカーが事前に耐震等級を決めて作るのが一般的ですが、注文住宅はハウスメーカーや工務店が施工主の希望に応じて設計しているようです。耐震等級を上げると、基準を満たすために間取りが制限されてしまうこともあります。

また、耐震等級を上げるには、費用もある程度かかるでしょう。費用をかけて耐震等級を上げて安全を重視するのか、住みやすさを重視するのか、よく考えて決めてください。火災保険では地震による損害はカバーできないため、地震保険への加入を検討している人もいるでしょう。耐震等級によって、地震保険の保険料が割引されるメリットもあるようです。

地震保険には、性能表示制度・長期優良住宅制度など、建物の品質を判断する制度の評価項目の1つに「耐震等級」という項目があります。割引を受けるには、これらを満たしていなければいけません。地震保険の割引率は、耐震等級1が10%、耐震等級2が30%、耐震等級3が50%です。耐震等級をどの程度にするかは施工主が選べます。家の安全性は重要なことで、後悔のない選択ができるよう、地盤や耐震等級などの知識を深めることが大切です。

 

建物の地震への強さを図る指標の1つに3段階の『耐震等級』があります。耐震等級2以上の高い耐震等級にするかは施工主が選ぶようです。どの等級がよいのか見極め、地震に強い家を造るために、耐震等級の知識を深めておきましょう。

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